人間の human は、もともとどんな意味?
11月になり、シアトルは、すっかりと寒い秋になりました。
大学の回りの木々も、紅葉が鮮やかになり、綺麗です。
10月も、シアトル校ではいろいろなイベントがありました。その中から、いくつか紹介しましょう。
エドモンズ校もショーライン校も、英語授業の一環で、毎年10月に日本文化祭を開いて、日本の文化や習慣を紹介しています。
写真は、浴衣をアメリカ人に着せているところです。
次の写真は、ホノルルマラソンに備えて、紅葉の中でランニング練習をしている学生の様子とハロウイーン仮装大会の様子です。
皆、ワイワイと楽しそうにしていました。
今回は、文法ではなく、「人間」の英語の human とman の語源のお話です。
humanは、ラテン語のhumanus 「人類に属する者、つまり、人間」から出来た言葉です。
このhu は、地上、地面を現す言葉ですから、human の意味は、「地上の人間」という意味でした。
動物学上のヒトを homo (あるいは homo sapiens )と言いますが、これも地上の者と言う意味です。
一方、manには、印欧語源の「考える」とか「知力」の意味がありました。心のmind、 精神のmental も、お同じ語源です。
よって、man の意味は、「知能を持った者」という意味でした。
根本的に、この知能・知力の点で、人間は、動物のanimal とは、違うことになります。
これから分かることは、地上に居る知能を持った者が、human で、キリスト教で言う神(God)と人との対比で使われた言葉と言えるでしょう。
聖書の創世記では、神が天地創造の中で、6日目に土から人間を創ったとありますが、そのことも関係があるかもしれませんね。
地上ではなく、宇宙のどこかに居る知能を持った者は、man で良いので、どこかの星から来た Ultraman (ウルトラマンですが、英語では、アルトラマンと発音しますよ)やSupermanも、超人的な能力を持った者と言う意味で、-man で言って良い訳ですね。
さて、ここで、human の hu が、土に関係していることが分かったら、huが頭に付いている次の単語も一緒に記憶しておいて下さい。
humidity:
「湿気」と言う意味ですが、これは、もともと深い森の中で、ひんやりとした空気に包まれ、土に触った時の感触を表した言葉です。 森の中の土は、いつも湿っていますから。
humiliate:
少し難しい動詞ですが、「~に屈辱を与えれる、 ~に恥をかかせる」 という意味です。これも土に関係します。日本語の「人の顔に泥を塗る」がピッタリです。今、日本で社会問題になっている「土下座させる」という言い方がありますが、顔を地面に付けるほど、頭を下げさせて辱める様子と同じですね。
いつものように、最後に、今月の語源の話しをしましょう。
11月は、ラテン語のnovem (= nine) から出来ました。元は、9月を意味していましたが、2ヶ月ずれて11月になった訳です。
novとかno.. は、9に関係があります。今、手元に、プログレッシブ英和辞典(小学館)がありますが、正午の「noon」のところを見ると、ラテン語では、9番目の時間という意味であったそうです。
それは、古代ローマでは、午後3時を表していて、教会の礼拝は、いつもこの午後3時に行われていたそうです。
それが、正午に行うように変更されてから、礼拝を行う正午を、noon と言うようになったとのことです。面白いですね。
では、また、次回にトリビアな話題を提供しましょう。
最近のコメント